2008/02/22

地域振興・環境特別委員会レポート①

 先週13日(水)地域振興・環境対策特別委員会が行われました。
次週と2回にわけ報告をさせていただきます。
 まず、“消費者の市内における購買意欲を拡大及び商業の活性化を
図るため”に、川口商店街連合会、川口商工会議所と忘れてはなら
ない川口市(およそ6千万円【このうち5千万円分をプレミアム券として
補助】をこの事業に補助をしています)を中心としたプレミアム付き商品
券発行支援事業についての報告です。
<1冊1万円で11枚つづりの10パーセント分がお得となるシステム>
商品券を配布したが、市内大型店での利用がほとんどで市内の個店
で利用されなかったという前年の反省点を活かして、今回から個店のみ
利用できる専用商品券22,500冊/50,000冊を新たに創設したことです。
今年の1月15日現在までの回収率でみますと、大型店や個店の両方で
使える共通商品券(27,500冊分)の内訳として、777店舗の個店で
利用された比率は18.28%で、一方大型店では81.72%であり
ました。結果からわかるとおり、8割以上が大型店つまり全国展開して
いる店舗で利用されており、777店の市内の個店にチケットが十分オチ
ていないのではないでしょうか。
(コメント:大型店舗ならば、市の補助金を使わなくても消費者が購買
意欲のでるようなPR方法は十分あると思いますし、またこの事業が
商業の活性化がどのように寄与しているかなどかなり疑問に思えます。

続いて、第4回国際Dシネマ映画祭の報告です。2007年は、7月14日
(土)~22日(日)の9日間、SKIPシティ内で開催され、長編作品のコンペ
部門では69カ国328作品が応募され過去最高を記録したとのことです。
アメリカの映画タブロイド紙Daily Varietyの「世界の50の見逃せない
映画祭」に日本では唯一選ばれたそうです。             
(コメント:気になりましたのが、入場者数が6,548人(前年に比べ
1,000人以上の増加)に対して、この期間の雑収入(カタログ販売等)額
が、32,182円しかなかったことで、もう少し川口市のPR商品などもこの
機会に販売すればよかったのではと感じました。)
 最後に、川口市の地域水道ビジョン(中・長期<今後10年>経営計画
事業)を示した、「アクアプラン21」の説明が水道局からありました。市内
の漏水率(H.17 で6.8%)で年々減少傾向にあるけれども、漏水防止策
として老朽給水管の布設替事業がH.24までとH.25から行われる予定
です。漏水全体の実に1/4は老朽給水管が原因であることもわかり
ました。

2008/02/15

公会計改革のポイント

 先月の22日(火)に民主党埼玉県連による政策研修会が開かれ、
各自治体(市区町村も含む)において今後2年以内に公会計改革の
制度整備と財務諸表<4表>を市民の方に公表しなければならなく、
それの対応とポイントを研修してきました。
 まず、今回の公会計改革では2007年(昨年)の5月18日に突然、
「新地方公会計制度研究会」の報告書が発表され、続いて8月31日
には地方行革新指針の中で、公会計改革が取り上げられ、上記でも
述べました財務諸表<4表>を市民に公表しなければならないという
ことになっています。ただ、法律では決めていないことなどを考えると
すべての自治体が統一してできるかなどの混乱が予想されます。
また、各自治体では2008年度決算の数字を元に2009年度中に
4表を作成することが求められています。
 では、上記の4表とはどういうものなのでしょうか?

①貸借対照表(BS)
②行政コスト計算書
③キャッシュフロー計算書
④純資産変動計算書


 まず、①ですが地方公共団体がどのくらいの有形・無形の資産や
債務を有するのかについて示したものです。今回の研修の講師で
あった、(財)地方自治総合研究所の菅原敏夫氏からのポイントでは
“公共資産を、「将来の経済的便益の流入が見込まれる資産(e.g.
有料道路)」、「経済的便益の見込まれないものの、行政サービス提供
に必要な資産(e.g.庁舎)」、「売却可能な資産(e.g.土地開発公社が
保有している)」に区分し、その保有状況を開示すること”である。
また、地方公共団体財政健全化法で今回はじめて登場した将来負担
比率*1の算定については、連結貸借対照表の注記等を活用し、BSに
表示される数値も引用しながら説明することが望ましいということでした。

*1公営企業、出資法人等を含めた普通会計の実質的負債の標準財政規模に
対する比率のこと。たとえば、退職金引当金や3セクの損失補償等。ただ、
なぜか公営の地下鉄は含まれない。

 続いて②では、“地方公共団体の経常的な活動に伴うコストと使用料
・手数料等の収入を示すもの”とあります。人件費、物件にかかるコスト
が示され、住民への説明がしやすくなります。
 ③は、現金の流れの“収支を性質に応じて、経常収支、公共資産整備
収支、投資・財務的収支などと区別して表示することで、地方公共団体
のどのような活動に資金が必要とされているかを説明できる”とのこと
でした。また、基礎的財政収支も説明できるようになります。
 最後に④ですが、地方公共団体の純資産、つまり資産-負債=残余
部分で、一会計期間にどれだけ増減したかを表します。何が原因で、
純資産が増減したかがわかることが特長です。
 以上は、一般的なことですが本市、川口市の対応は、財政課に問い
合わせたところ、「2008年度分から出します」との回答でした。ただ、
他の自治体の動向も注視してみるとのことでした。  
 さらに、上記の財務書類の様式で現在話し合われているのは、

 ・基準モデル
 ・総務省方式改定モデル

 ・東京都モデル等の第3モデル

があるわけですが、おおきな違いは財務数値の差異があるということ
です。ただ、その数値に関して注釈をつけることが大事になるということ
です。現在、自治体で利用されている標準的な決算方式は、単式簿記
決算の数字を組み替えて財務諸表を作る方式です。これまでの総務省
方式を踏襲しており、基準モデル方式より簡素化して作成できます。
ただし、伝票を起こした時点で複式簿記の作成に必要な情報入力を
行わないため、どんな支出の結果どの資産が増えたかということを完全
に把握することはできないなどの欠点があります。(わかりやすく言うと、
“夏休み絵日記”方式で、3月31日までに数字が合えば良いということで、
それまで溜め込んでしまってもOKということです) また資産評価では、
個別の資産でなく、生活インフラ、消防など科目単位で行います。
 一方、基準モデルでは、1件の支出や収入があるごとに、複式簿記に
なっているということです。予算から決算まで連動しており、1枚の伝票
までさかのぼって検証できることが特長です。また資産評価は、資産1つ
1つに対して実施する。損失が生じた場合にその原因を伝票のレベル
まで追求できるなど、会計制度的により優れた方式であることは間違い
ないが、起票する際に入力する項目が増えるなど自治体側の負担も
大きくなります。ただ、講師の説明では人口3万人くらいの規模だと
良いとのことでした。
 最後に、東京都モデル等の第3モデルとは、東京都は独自の様式を
NTTデータと共同開発したソフトがありこれを採用するもので、現在
無償で他の自治体に配布しています。また、第3モデルは、上記の
方式を修正した後の新たなモデルとして考えられそうです。
 川口市では、「他の自治体の様子を見て、多くが採用している方式に
合わせます」との回答でしたので、総務省方式改定モデルを採用する
と実質的に認めた格好で、今2008年度予算ではシステム改修費を
含む420万を計上する予定との事です。
 しらね自身は、東京都等の第3モデルがいいのではと感じます。
ソフトを無償提供してくれるなど、一番近い都市に合わせれば、比較も
しやすいのではと感じるからです。さらに気になりますのが、総務省方式
改定モデルでは“夏休み絵日記”方式のため今までの様式とほとんど
変化がなく「どのポイントを改革したのか」が分からずじまいになってしまい
ます。何れにしろ、今後もこの動向に注目しレポートしていきます。

2008/02/02

川口市における暫定税率廃止から考える税体系問題

1月26日付けの「日本経済新聞 」埼玉・首都圏経済版のところで、
通称ガソリン税と呼ばれる税金が財源になる道路特定財源の暫定
是率が廃止になった場合、川口市は“約19億円の減収になる”との
報道がありました。また、新聞上では福祉などの他の予算を削れない
ので、本市の約58億円ある「財政調整基金」*から補う予定とのこと
でした。 
*財政調整基金とは、予算編成時の財源不足の補填、災害時などの対応に備え
預金みたいなものです。ただ、「財政-」を含む本市には土地開発公社などの
資金の積立金として平成17年度末で約210億円あります。
 私は、今国会で騒がれている暫定税率の問題をここでは記載しま
せんが、上記の記事内容を基に、市の財政課に問い合わせ、どの
ような根拠で約19億円が出てきたかを今回お知らせしたいと思います。

約19億円の内訳<川口市>:
①現在国や県に道路建設にあたり補助金として申請しているもの:
  臨時補助金で、約10億円の交付金が見込まれます。
地方道路譲与税(“国が地方自治体に対し道路建設の財源を譲与
  することを目的にガソリン税に課す日本の税金”(wikipediaから
  抜粋)であり、国が税金をとりそれを地方へ交付金として配布して
  います。また、自動車重量税も国税として徴収し、地方へ交付金と
  して配布し、自動車取得税は、県で徴収し市区町村に交付金として
  分配をします。
  これら交付金等で、約9億円が見込まれます。

 近年、地方分権化が叫ばれていますが、上記のような補助金
体制では地方に財源を譲与するために国がとりあえず税を
徴収し、それを交付金で自治体を縛っているのでは、分権
改革は程遠いものとなります。今回の暫定税率は地方分権改革
の視点で見れば、一目瞭然で国と地方自治体間の税体系に問題が
あります。真の地方分権改革進めるには、やはり自分たちが住んで
いる自治体から声を大きくする必要があります。